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シン・エヴァンゲリオン劇場版3本の槍の秘密

シン・エヴァ3本の槍カシウスの槍ロンギヌスの槍ガイウスの槍

まずはカシウスの槍から考察していきます。
カシウスの槍は新劇場版から登場したTVアニメ版と旧劇場版にはない新しい槍です。
カシウスの槍が初登場したのは破のエンドロールが終わった後、シンジを乗せた初号機が疑似シン化第一形態へ覚醒しサードインパクトを発動しそうになった際、エヴァンゲリオンMark.06に搭乗したカヲルがカシウスの槍を初号機に突き刺すことによりサードインパクトを止めました。

カシウスの槍の形状は、持ち手が細く柱状になっており先は平たく丸みを帯び先端は刺さるように尖った形をしています。
初号機を貫いたことからATフィールドを貫通することが出来ることが分かります。

この時カシウスの槍はインパクト自体を止めたわけではなく、インパクトに必要な初号機の覚醒を止めています。
これがカシウスの槍の初登場シーンでした。

このカシウスの槍についてQにおけるカヲルの台詞により、新しい情報が分かりました。

カヲル「君の希望はドグマの爆心地に残る2本の槍だけだ」「それが補完計画発動のキーとなっている」「第13号機とセットで使えば世界の修復も可能だ」「2本の槍を持ち帰るには魂が2つ必要なんだ」

このセリフからカシウスの槍とロンギヌスの槍には世界を修復できるほどの大きな役割があることが分かります。
また、この槍を使うためには1本につき一つの魂が必要であるということです。

このことからシンジとカヲルはダブルエントリーシステムの第13号機に乗り、セントラルドグマのリリスに刺されている2本の槍を取りに行きます。
その後Qではリリスに刺さっていたカシウスの槍とロンギヌスの槍が同じ形状になっており、槍を抜くと2本ともがロンギヌスの槍になるというゲンドウの罠にはめられ、カヲルは13番目の使徒になりDSSチョーカーによって死んでしまいます。

2種類の槍をエヴァンゲリオンイマジナリーに刺すことでアディショナルインパクトが発生する

2本の槍がどう世界の修復と関係しているのかQでは明かされませんでしたが、シン・エヴァンゲリオン劇場版で明かされました。
この2種類の槍をエヴァンゲリオンイマジナリーに刺すことでアディショナルインパクトが起き、世界を書き換えることが出来るということです。

そしてカシウスの槍とロンギヌスの槍は同一の槍であり、持ち手の意志によって選択されることも分かりました。
つまりQでカシウスの槍とロンギヌスの槍が同じ形状になっていたのは、2種類の槍が同一の槍であり14年の間にどちらの槍でもない準備形態になっていたのではないかと考えられます。

新劇場版から登場したカシウスの槍はニアサードインパクトでの初号機の覚醒と、おそらくサードインパクトでのエヴァンゲリオンMark.06の覚醒を止めるために使ったエヴァを貫けるキーアイテムであることが分かります。
マイナス宇宙でシンジがゲンドウと戦うときに使い、またエヴァンゲリオンイマジナリーに刺すことでアディショナルインパクトを引き起こすことが出来る重要な役割を持った槍です。

シン・エヴァでも登場したロンギヌスの槍

ロンギヌスの槍はTVアニメ版、旧劇場版と新劇場版、シン・エヴァンゲリオン劇場版に登場しました。
それぞれで設定が異なる部分があるので、TVアニメ版、旧劇場版でのロンギヌスの槍から考察をしていきます。

TVアニメ版、旧劇場版のロンギヌスの槍はネルフ本部地下に眠るリリスに突き刺さった状態で保管していました。
リリスに刺す前は南極にある白き月で眠っているアダムを卵に還元するために使われ、その際に生じた莫大なエネルギーによってセカンドインパクトが発生します。
これによりミサトの父である葛城博士をはじめ人類の半数近くが亡くなります。

その後TVアニメ版では衛星軌道上にいる第15使徒アラエルを殲滅する際、エヴァ零号機が投擲で使用しています。
ここで第15使徒アラエルを貫通したロンギヌスの槍は月の重力軌道上へと到達し、回収することが出来なくなります。

これまでのロンギヌスの槍には使徒をコントロールする力があったと考えられる

また、ロンギヌスの槍を引き抜かれたリリスはどうなったかというと、切断されていた足が生え素の姿に戻ります。
アダムを卵にしたりリリスの回復を抑制していることから、TVアニメ版のロンギヌスの槍には使徒をコントロールする力があったと考えられます。
第15使徒アラエルのATフィールドを貫通するアンチATフィールドの力があることも、ATフィールドを解除するようにコントロールしたのでしょう。

ロンギヌスの槍の形状は、先が二股になり柄の部分が螺旋状になっていることから使徒のDNAに影響を与えているかも知れませんが、そこまでは根拠となる描写がありません。
ロンギヌスの槍がアンチATフィールドの力を持っていることから、デストルドーと呼応する槍なのではないかという考察もあります。
デストルドーという言葉はTVアニメ版20話で次のように出てきています。

伊吹「旧エリアにデストルドー反応パターンセピア」

このシーンは初号機に取り込まれたシンジがサルベージをされているが拒絶していることを表しています。

またサードインパクトのシーンでは

日向「デストルドーが形而下されています」
冬月「これ以上はパイロットの自我がもたんか」
青葉「ソレノイドグラフ反転自我境界が弱体化していきます」
日向「ATフィールドもパターンレッドへ」
青葉「リリスよりのアンチATフィールドさらに拡大物質化されます」
日向「アンチATフィールド臨界点を突破」
青葉「ダメですこのままで個体生命の形が維持できません」

このようなセリフがあり、デストルドーによって自我の境界であるATフィールドを弱体化させるアンチATフィールドの効果が拡大したことがわかります。
この結果ATフィールドがなくなることで人であれば個体の形を保てずにLCL化してしまうというように考えられます。

リビドーとデストルドー

つまりアンチATフィールドを持つロンギヌスの槍は、アンチATフィールドのきっかけであるデストルドーと関係があるということに繋がります。
デストルドーとは何かというと、心理学者フロイトが提唱した精神分析学に関する概念です。
その中には、対の関係であるリビドーという考え方があります。
リビドーとは生の欲望で、デストルドーとは死の欲望を表すとされており、死の欲望とはあらゆる攻撃性や破壊衝動、時には自殺願望の元になります。
そしてこれはタナトスとも呼びます。

旧劇場版の「新世紀エヴァンゲリオン劇場版Air/まごころを君に」の主題歌がタナトスとなっていることから、庵野監督はリビドーとデストルドーの概念をエヴァンゲリオンに盛り込んでいる可能性が非常に高いです。

同じく旧劇場版でシンジが月にあるはずのロンギヌスの槍を呼び寄せて手にしたこともシンジのデストルドーの感情に呼応したのではないかということが分かります。
よってアニメ旧劇場版でのロンギヌスの槍の核となる設定はデストルドーであり、そこから使徒の成長を止めることやアンチATフィールドという攻撃性がついたのではないでしょうか。

そして新劇場版でもこのリビドーとデストルドーの概念は引き継がれていると考えられます。
それがわかるのがシン・エヴァンゲリオン劇場版での2本の槍についてのゲンドウの説明です。

「絶望の槍ロンギヌスと希望の槍カシウス」

絶望とは死の象徴、希望とは生の象徴。
つまり旧劇場版のリビドーとデストルドーの概念を引き継ぎ、旧劇場版にはなかったリビドーの象徴としてカシウスの槍を追加したと考えられます。

このことからもQでカヲルがリリスに刺さっている同じ形状の槍を見てシンジを止めたのも、絶望しかない未来を想像したからではないでしょうか。

シン・エヴァンゲリオン劇場版では槍が6本存在する

新劇場版で変更になった設定として、カシウスの槍が存在することにより持ち手の感情でロンギヌスの槍かカシウスの槍かを選択出来るようになりました。
シン・エヴァンゲリオン劇場版でゲンドウ(第13号機)とシンジ(初号機)が戦うシーンで、シンジがゲンドウからロンギヌスの槍を受け取ると、それはカシウスの槍に変化しました。

またQではシンジが槍を抜いた後に2本の槍が二股のロンギヌスの槍に変化していたことも分かります。

次に槍の本数ですが、旧劇場版でアダムという設定だったものが新劇場版でアダムスとなったことが関係してきます。
新劇場版のセカンドインパクトの回想シーンではアダムスと思われる4体の光の巨人が存在しており、ロンギヌスの槍も4本存在しています。

シン・エヴァンゲリオン劇場版ではゲンドウの

「神が与えた6本の槍」

というセリフもあり、新劇場版以降ではロンギヌスの槍は複数本あることがわかります。
また本数だけではなくこの槍と同等の槍を作ることができるというのも新劇場版の新しい要素です。
シン・エヴァンゲリオン劇場版でゲンドウと冬月は黒き月を材料にロンギヌスの槍に変わる2本の槍を作りました。ここも旧劇場版の設定を引き継いでいるとするならば、白き月にアダムとロンギヌスの槍、死海文書があり黒き月にリリスが入っていたので、アダムではなくリリスから作った槍ということになりロンギヌスの槍ではない可能性が高いです。

黒き月から作った槍はロンギヌスの槍ともカシウスの槍とも呼ばれていません。
しかしこの新しくゲンドウと冬月が作った槍によってフォースインパクトが起きていることから、ロンギヌスの槍と同等の力があると言えます。

なぜ黒き月で槍を作ることができたのか、このあたりは明確な説明がありませんでしたが、黒き月という設定から考えるに、人間ではなく神が与えしものであったと考えられます。
ロンギヌスの槍とは神が与えた6本の槍なので、同じく神が与えた黒き月を返還することによってのみロンギヌスの槍もしくはそれと同等の槍を作ることが出来るということでしょう。

これを元に考えると3本目の槍であるガイウスの槍についても納得出来るのではないでしょうか。

シン・エヴァンゲリオン劇場版で生まれたガイウスの槍(ヴィレの槍)

3本目の槍、ガイウスの槍はAAAヴンダーから作り出されました。
この槍は黒き月から槍が作れることを見たリツコがミサトの命令により作ったものです。
シン・エヴァンゲリオン劇場版では、AAAヴンダーについての新しい情報も明らかになりました。
元はネルフによって人類補完計画のために建造された4隻の戦艦のうちの1つであり、本来の名称はNHGブーセ。
人がいなくとも種の保存ができるようにノアの方舟の役割として造られました。

このNHGブーセをヴィレが強奪しAAAヴンダーと改め戦艦として使用をしています。
シン・エヴァンゲリオン劇場版ではこのAAAヴンダーと残りのNHG3隻による艦隊戦があり、2号機8号機の活躍によりAAAヴンダーはNHG3隻を沈めることができました。
ここでゆっくり沈んでいくNHG3隻に向けてマリが重要なセリフを言います。

マリ「もうリリンが君らを使うこともないよ。ゆっくり眠りなアダムス」

このセリフからNHGがアダムスであることが確定しました。
つまりAAAヴンダーもアダムスということになります。
ここで黒き月とAAAヴンダー唯一の共通点は、神が与えしものであるということです。

AAAヴンダーの場合はコアとなる部分が神の与えしものでその他は人工的に作られたものかも知れませんが、黒き月同様に槍にすることが出来るということになります。
そのため、AAAヴンダーからガイウスの槍を作ることが出来たということでしょう。
そしてこの槍は第13号機を止めるため、ミサトによってマイナス宇宙にいるシンジに届けられます。

人類が繋いだ希望の槍

シンジはゴルゴダオブジェクトで第13号機だけではなくエヴァに乗ることのない人生、エヴァのいない世界を創造すべくガイウスの槍を使います。
そして最後はシンジに代わり、ユイとゲンドウがガイウスの槍ですべてのエヴァを貫きネオンジェネシスを遂行しました。

ガイウスの槍はシンジの望む世界を作るためにヴィレ、つまり人類が繋いだ希望の槍ということになります。

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